兵庫県立ピッコロ劇団第25回公演 秋浜悟史追悼
「喜劇 ほらんばか」「楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき」

作=秋浜 悟史(喜劇ほらんばか)・清水 邦夫(楽屋~流れ去るものやがてなつかしき) 演出=鵜山 仁

 
   
■ ものがたり

「喜劇 ほらんばか」(作=秋浜悟史)

東北地方のある寒村に春がきた。春になるとほらんばか(ほら事語り)になってしまう工藤充年が廃屋となった牛舎の前で、白樺の木の間をわきめもふらず、往復している。
工藤は、昔、仲間と集団農場を経営していて、不在の間に牛をすべて伝染病で死なせてしまったことで、ほらんばかになってしまった。

そこへ、野間さち、なちの姉妹が、今年の春もほらんばかになっているのか確かめにやって来る。工藤とさちは愛し合っているが、工藤がほらんばかのために結婚できない関係。さちは、ついに、どこかに嫁入りするといいだした。さちとずっといっしょにいたいと思う工藤は、はずみで、さちの首をしめて殺してしまう。工藤は、動かなくなったさちの体を崩れかけた牛舎のなかに運び火を付ける。東北弁で繰り広げられるユーモラスで、はかなくもせつない物語。

「 楽 屋 ―流れ去るものはやがてなつかしき-」
(作=清水邦夫)

亡霊になった女優Aと女優Bが、楽屋で念入りに化粧をしながら、永遠にやって来ない出番にそなえている。今上演中なのは、チェーホフの「かもめ」。主役のニーナ役の女優Cが楽屋に戻ってくると、プロンプター(舞台の蔭にいて、俳優がせりふを間違えたり、つかえたりしたときに小声で教える人)をつとめていた女優Dが枕を抱えて現れる。

女優Dは、精神を病み入院していたが、すっかりよくなったから、ニーナ役を返せと女優Cに詰め寄る。言い争いになり、女優Cは思わず女優Dの頭をビール瓶で殴ってしまう。打ち所がわるかったのか、女優Dは亡霊になってしまう。

3人の亡霊となった女優たちは、何かの拍子にやってくるかもしれない出番のために稽古をはじめる。「わたしたちだけがここに残って、またわたしたちの生活を始めるのだわ。生きていかなければ、・・・生きていかなければ・・・」と語りかける。



「喜劇 ほらんばか」
工藤充年=孫 高宏 / 野間さち=森 万紀 / なち(その妹)=杏華 /

「 楽 屋 ―流れ去るものはやがてなつかしき-」
女優A=松下 砂稚子(文学座) / 女優B=和田 友紀 / 女優C=平井 久美子 / 女優D=吉江 麻樹 /

美術=加藤 登美子 / 照明=西川 佳孝 / 音響=Alain Nouveau / 舞台監督=鈴木田 竜二 /
演出助手=原 竹志 / 制作=田房 加代 / 宣伝美術=眞山 直則 /

  
主催=兵庫県立尼崎青少年創造劇場

2006年(平成18年) 
6月9日~6月15日 ピッコロシアター大ホール 
6月30日~7月5日 東京・俳優座劇場 

平成18年度芸術文化振興基金助成事業