兵庫県立ピッコロ劇団旗揚げ公演「海を山に」

作・演出=秋浜 悟史

 
   
「海を山に」は、とてもできそうにないことをするのたとえ。近松門左衛門の『浦島年代記-』に用例がみえる。

どうやらお祝いらしく、鶴亀に浦島太郎の問答、三番叟の揉みが、集団でのタタラ踏みへと高鳴る。今は昔の物語が、正しい『日本むかしばなし』の在処を求めて、あることないこと荒唐無稽ごった煮で繰り広げられる。

遠い北の山国から、放たれ太郎が巣立つ。少年は、貧しさから抜け出したい、名をあげたい、なによりもあこがれの南の海へ出たい。

老琵琶法師に知恵をさずけられ、海賊大将軍藤原純友のもとへ馳せ参じようと夢をふくらます。たどりつけたら、願いは三つともかないそうだからだ。少年はくじけない、挫折しても立ち直りが早い、死んでも殺されても必ず生き返る、再生する。

道中、伝説のヒロイン連中とのエピソードに出会い、その漂泊の芸能集団に紛れ入る。一行を率いていると思い込んだ白比丘尼のおしら様、高見の見物でしんがりにつく勧進坊主の西行乞食、琵琶法師にして実は狂言師名古屋山三の爺婆たちから、娘子軍はなにを得、なにを捨てるのか。
幽霊になってからまで自殺したいのはなぜか。走る女が止まれないのはなぜか。竜宮城は実在するのか。玉手箱をあけて、はたして出雲のお国一座が誕生できるだろうか。
謎は謎を呼び・・・・・・・・・。



 
鶴・巡礼お鶴=井上 加奈子 / 亀・安珍亀=森 好文 / 浦島太郎=石本 浩次 / 三番太郎=甲斐 政弘 /
放たれ太郎 変成して出雲の阿国=平井 久美子 / アラレ(村娘)=土江 教子 / アマリ(村娘)=木全 晶子 /
勇助(村童)・但馬摂津守言之助=孫 高宏 / 長吉(村童)・丹波淡路守ながよし=高橋 健二※1 /
善吾(村童)・前後左右守播磨=瀬口 雅彦 / 琵琶法師・名古屋山三郎= 鈴木 智(劇団民藝)/
トンバ(三婆)=谷山 佐知子 / ジンバ(三婆)=宮崎 道子※2 / ガンバ(三婆)=藤川 明子 /
お弓(お鶴の母)=嶋 多佳子 / 走る清姫=水谷 純子 / おしら様(白比丘尼)=久保 まづるか(劇団民藝) /
金太郎(連れの餓鬼)=梁瀬 満 / 西行(勧進坊主)=伊藤 惣一(フリー) / 江口の君=安達 朋子 /
皿回しの小菊(幽霊)=和田 友紀 / 歌祭文のお夏=上仁 牧子 / 酒呑童子(ギャング団)=高橋 健二※1 /
熊坂長範(ギャング団)=甲斐 政弘 / 袴垂れの保輔(ギャング団)=瀬口 雅彦 /
石川五右衛門(ギャング団)=孫 高宏 / 弁天小僧(ギャング団)=森 好文 /
ルパン三世(ギャング団)=石本 浩次 / 竜宮城の竜王=甲斐 政弘 / 乙姫=土佐 倫代 /

群衆
ピッコロ演劇学校研究科生
粟田 有紀子 / 大重 千代子 / 岡 スミ子 / 岡田 和美 / 金原 京子 / 城戸 昌美 / 小山 裕代 / 高橋 いづみ /
多田 小波 / 田村 佳代 / 難波 佳代子 / 藤本 はるみ / 山本 美樹 / 山本 佳子/

※1 高→髙
※2 崎→﨑
 

美術=加藤 登美子 / 照明=岡田 幸博 / 音楽=三木 稔・氷見 嘉章 / 音響=岩田 直行 / 舞踊=森田 守恒 /
殺陣=水木 真司 / 衣裳=橋田 真佐美 / 演出助手=秋津 シズ子 / 舞台監督=村上 浩 /
バックミュージック=INATAI・岡本 博文 / 琵琶指導=山崎 旭萃 / 琵琶演奏=田原 順子 /
照明操作=花森 功(神戸国際ステージサービス) / 音響操作=宮崎 孝幸(スタッフステーション)/
大道具製作=つむら工芸 /
小道具・衣裳=東京衣裳・丸岡楽器店・ピッコロ劇団舞台班・ピッコロ演劇学校有志・ピッコロ舞台技術学校有志 /
資料提供=小国 朋身(犬伏神楽)・岩手日報社・山形県櫛引町教育委員会(黒川能)/
協力=森田 益代・兵庫県立宝塚北高等学校・社会福祉法人大木会 あざみ寮 もみじ寮・楠霊神社・
淡路人形浄瑠璃館・アンミュージックスクール・199Q太陽族・劇団狂現舎・劇団新感線・
劇団そとばこまち・劇団MOTHER・笑殺軍団リリパットアーミー・第二劇場・
プロジェクトDA-A!・南河内万歳一座・立身出世劇場 /
ポスター・チラシ・パンフレット表紙原画デザイン=田中 徳喜 /

 
主催=兵庫県立尼崎青少年創造劇場 他
 
1994年(平成6年)
6月1日~5日  ピッコロシアター大ホール
8月2日     ピッコロシアター大ホール
※アジア太平洋青少年演劇祭に「ピッコロ演劇学校」と合同参加
8月5日     姫路市文化センター
8月7日     和田山町・ジュピターホール
※アジア太平洋青少年演劇祭に「ピッコロ演劇学校」と合同参加
 
平成6年度地域のステージづくり事業(後援=(財)地域活性化センター)